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日常にあふれる、いろんなにおいの正体

執筆:北嶺中・高等学校理科教諭 高山 俊平

 私たちの日常生活には、さまざまな「におい」があふれています。「におい」という言葉を聞くと、どんなものを想像しますか。オレンジやレモンなどのさっぱりとしたにおい、お肉が焼けたときの香ばしいにおい、お花の甘いにおいなどの「いいにおい」や、長時間はいた靴下のにおいや生ごみのにおいなどの「嫌なにおい」を想像した人もいると思います。今回は、そんな「におい」について考えていきたいと思います。

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1.においの正体とは?

 実は、においの正体は有機化合物とよばれる化学物質です。地球上の生き物がにおいを感じ取ることができる物質は40万種類以上あると言われており、その中でもヒトが感じ取ることができるのは1万種類ほどと言われています。有機化合物とは、主に炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)などの元素から構成される物質で、炭素の結合の仕方がたくさん存在するため、有機化合物の種類、形はとても多くなるのです。

2.ヒトがにおいを感じるしくみ

 においがする物質は空気中をただよっており、鼻の奥にある「嗅覚受容体」というにおいセンサーに到達し結合すると電気的な信号が発生します。この信号が神経を通って脳に到達すると、ヒトはにおいを感じるのです。

 におい物質はさまざまな形をしており、1つのにおい物質に対して、鍵と鍵穴が合うように嗅覚受容体が反応し、においを検知します。また、においの濃度が変わると反応する嗅覚受容体の組み合わせが変わり、違うにおいとして感じるようになります。ヒトは400種類の嗅覚受容体をもっており、におい物質に作用する嗅覚受容体の組み合わせは無限にあり、1万種類以上あるにおい物質を嗅ぎ分けることができるのです。

3.におい物質とその利用

 下の図のように、身の回りには、さまざまなにおい物質(有機化合物)が含まれていることがわかります。

 オレンジなどの柑橘類の皮に多く含まれる「リモネン」は、フレッシュな香りがするので芳香剤や香料として利用されているほかに、発泡スチロールのリサイクルに利用されています。リモネンは発泡スチロールをよく溶かす性質をもっており、溶かして発泡スチロールを分離することで再利用することもできるので環境に優しい溶剤として期待されています。

リモネンを発泡スチロールにかけたときの様子

発泡スチロール

 また、都市ガスやプロパンガスは、もともとにおいはありませんが、あえてガスににおい物質を混入させて「におい付け」を行うことで、微量なガス漏れにいち早く気づき事故を防ぐ工夫がとられています。このときに使用されるのが石油に似たにおいである「シクロヘキセン」や玉ねぎが腐ったようなにおいである「ターシャリーブチルメルカプタン」というにおい物質(有機化合物)です。

 今回のコラムを読んで、におい物質である有機化合物が身の回りにたくさん存在し、役立っていることを感じてくれたらうれしいです。